H19年に始動した本班は、公募で選ばれた鶴岡三川、柏、浜松、長崎4地域を研究フィールドとして、がん緩和医療・緩和ケアに関する質の向上とその普及に関する研究活動を行いました。まず市民の方々、医療スタッフなどを対象にがん緩和ケアに関する認識度や要望を調査しました。それを基に、上記4地域で、統一した介入方法(人材、冊子、DVD、研修会企画など)を決め、地域の関連する多職種・多機関の研究グループを組織し、介入前後の地域緩和ケアに関する質の向上・維持が実質的にできたか否かを数値で評価するという、世界的にも、緩和医療・緩和ケアに関する数少ない大規模な前後比較研究でした。
この研究期間内に、実行委員、事務局スタッフを始め、数百名に達する4地域の関係者の方々が懸命になって本研究の活動を支えました。 現在、介入後調査の最終解析が行われ、興味深い結果が得られつつあります。事前に決められた主要評価項目に関する結果は、今春に報告を予定しています。これにより介入方法の妥当性が判断されることになります。4地域はそれぞれ医療事情などやや異なる背景を有しており、4地域の地域連携体制は、今後、各地におけるがん緩和医療・緩和ケア地域連携のモデルとして利用できると期待します。また、地域連携モデルを組織化していく際に生じる様々な問題に対する克服法など、構築プロセスに関するOPITIMレポートを企画しています。新たな班研究としてがん緩和医療・緩和ケアに関する地域連携のマイルストーンになるような手引き書をこの2年間で刊行する予定です。
最後に、本研究班にご協力いただいた4地域の患者さん・ご家族の方々に厚く御礼申し上げます。また、このような大規模研究を可能とした、戦略研究企画担当の方々、厚労省がん対策推進室、日本対がん協会事務局に深謝申し上げます。より質の高い安心できるがん療養の実現を目指して今後も努力したいと思います。



