「OPTIM長崎」の活動を終えて

「緩和ケア」という言葉やその意味さえ充分に認知されていなかったこの長崎で、「緩和ケア普及のための地域プロジェクト−OPTIM長崎」が開始され、早3年が経過しました。

1年目(平成20年度)はプロジェクトの目的をみなさん(市民・患者・医療従事者・関連職種)に周知する1年!として、以下の目標項目を立てました。
1) 市民への啓発と緩和ケアに対する意識の向上
2) 長崎がん相談支援センターと地域緩和ケアチームの役割と周知
3) 主治医を中心に病院医師への重点啓発と教育
4) 在宅スタッフへのがん医療・緩和ケアに関する初期啓発・教育
5) 病院内の医療・看護連携と退院支援・調整システムへの取り組み、強化
6) 患者を中心に施設から在宅への多職種連携と各役割意識の向上
7) 医療従事者の緩和ケアの技術の向上
8) 在宅に必要な医療用薬剤(麻薬を含む)・機器・機材の供給や廃棄システムの構築(長崎市医師会方式)
9) 長崎市の地域連携パスの作成
10) サイコオンコロジーへの初期啓発・教育
11) 以上につき「評価」を行い、2年目へ


2年目(平成21年度)は以下の目標項目を目指し
1) 病院、在宅スタッフへの啓発・教育の継続(講習会、症例検討会、看護師向け実習)
2) 市民への啓発と緩和ケアに対する意識の向上(市民団体、患者・家族会、行政への働きかけ)
3) 在宅への誘導(退院支援・調整システムの整備と活用)
4) 社会環境の整備
・施設スタッフへのアプローチ(スタッフの増加、教育)
・在宅医の増加
・栄養
・リハビリテーション
5) がん登録の促進
6) がん予防

最終年度3年目(平成22年度)は緩和ケアに限定することのない、地域医療の相談支援センターとして盤石な実績を挙げ、医師会事業として永続運用を行うことができるように成果を上げることを目指す為に以下の目標項目を掲げました。
1) 活動の集約と、がん医療・緩和ケアに対する具体的提言
@ がんサポートガイドブックの作成
2) 医療機関の退院調整システムの構築への支援と地域・在宅へのスムーズな連携
@ 病院医師への働きかけ
A 病院看護師への働きかけ
3) 長崎の在宅医療総合相談窓口(長崎がん相談支援センターの継続)を目指す
4) 施設差、地域差のない市民(患者)のための長崎の地域医療連携システムの構築
@ アンケート調査をもとにした福祉施設職員への啓発
5) 市民(患者)の自己決定を支える
@ 市民(患者)の自己決定を支えるための医療機関の取り組みを情報公開
A がんサロンの立ち上げ
B セルフケアアップのための講座(市民、患者対象)
・がん栄養教室 ・排泄のケア(コンチネンスケア) ・口腔ケア
・メンタルケア ・リンパ浮腫のケア
C ボランティア育成(がんに特化しない)

そして、種々の事業を展開し、今日終了いたしました。現在中央本部では事業の評価へ向けて検討が行われていますが、我々OPTIM長崎は目標項目の90%以上は事業を遂行できたと自負しております。中でも、当モデル事業を如何に永続的に継続していくかという課題を長崎市長及び市議会の大英断の下、23年度より「長崎市包括ケア−まちんなかラウンジ」として引き継がれることが決定いたしました。「生きていてよかった長崎で!!幸せな一生だった長崎で!!」我々長崎市医師会はこのような地域環境を医療という面で今後とも積極的に構築し、支援して行いたいとおりますので、市民の皆様のみならず、医療従事者の方々のより一層のご協力を心から期待してOPTIM長崎の活動終了の挨拶といたします。

(C) Copyright 2008 緩和ケア普及のための地域プロジェクト(厚生労働科学研究 がん対策 のための戦略研究)