
■調査の目的
■調査の方法
■調査結果の概要
|一般市民のがん医療に対する安心感|一般市民が望む療養場所・死亡場所|
|一般市民のがん対策・緩和ケアに対する知識|一般市民の在宅療養に対するイメージ|
|一般市民が緩和ケアや在宅医療を整備していくために役立つと思うこと|
2.地域医療者
|地域医療者の緩和ケアに関する自己評価|地域医療者が緩和ケアに関して困難に感じること|
|地域医療者が緩和ケアや在宅医療を整備していくために役立つと思うこと|
|診療所医師が担当可能な治療|
本調査は「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」のプロジェクト対象地域に在住する一般市民および地域医療者の考えや要望を知ることによって、地域の現状を把握し、地域に対するプロジェクトの実施計画を策定することを目的として行われました。 |
一般市民が望む療養場所は、がんで痛みを伴う場合には約50%が自宅療養を希望し、がんで痛みは伴わないが、介護が必要な場合は約40%が自宅療養を希望していました。また、死亡場所に関しては、がんで痛みを伴う場合には、自宅は約10%程度であり、約30%程度が病院、約40%〜50%が緩和ケア病棟を希望しており、がんで痛みは伴わないが、介護が必要な場合には自宅は約5%程度であり、約20%〜30%が病院、約40%〜50%が緩和ケア病棟、約20%程度が介護施設を希望していました。専門家の支援や介護に疲れたときに入院する施設があれば自宅療養したいという回答は約40%であり、家族の負担になるので入院したいという回答は約30%でした。一般市民は約半数ががんになっても自宅療養を希望しているが、自宅で死亡することは難しく、現状では、病院や緩和ケア病棟などに入院して死を迎えることを希望していることが明らかになりました。 一般市民に国のがん対策について尋ねた質問では、「がん対策基本法」「がん診療連携拠点病院」「緩和ケアチームや相談支援機能」などについて知っているという回答は10%以下であり、国のがん対策が一般市民にあまり理解されていないことが明らかになりました。 【一般市民のがん対策・緩和ケアに対する知識】 一般市民に「緩和ケア」という言葉について知っているかを尋ねたところ、よく知っているという回答は20%以下で、聞いたことがあるがよくは知らないという回答が半数程度でした。緩和ケアに対して一般市民が持っているイメージに関しては、「痛みや苦痛をやわらげる」が約60%〜80%であったのに対し、「化学療法や放射線療法など、がんに対する治療と一緒に行う」は約50%でした。また、「死期が迫っている患者のためのものである」という回答も約30%〜50%ありました。医療用麻薬に対して一般市民が持っているイメージは「たいていの痛みをやわらげることができる」が約60%〜70%であったのに対し、「麻薬中毒になったり禁断症状が出る」という回答が約20%〜30%、「寿命をちぢめる」という回答が約20〜30%ありました。これらの結果から、緩和ケアや医療用麻薬に対する正しい知識の普及や啓発が必要であることが示唆されました。
![]() 【一般市民の在宅療養に対するイメージ】一般市民の在宅療養に対するイメージでは「自分らしく自由に過ごせる」という回答が約50%〜60%であったのに対し、「家族への負担が大きい」という回答が約80%、「急な変化があったときや夜間に対応ができない」という回答が約60%〜70%、「往診してくれる医師がいない」という回答が約50%〜60%、「お金がかかる」という回答が約50%、「苦痛を十分にやわらげることはできない」という回答が約30%〜40%でした。一般市民は在宅療養に対して、自由に過ごせるというよいイメージを持っている反面、家族への負担や医療者の対応、経済面などに不安を持っていることが明らかになり、在宅療養を支えるためには医療システムの整備が必要であることが示唆されました。 ![]() 【一般市民が緩和ケアや在宅医療を整備していくために役立つと思うこと】 一般市民が緩和ケアや在宅医療を整備していくために役に立つと考えることについては「緩和ケアについての情報を住民にわかるように伝える」「困ったときに相談できる窓口がある」「地域で受けられるサービスがわかる冊子がある」「地域で受けられるサービスがわかるホームページがある」「医師が患者の苦痛を和らげるための技術を向上させる」「看護師が患者の苦痛を和らげるための技術を向上させる」「病院や診療所の医師が対応できないときは、苦痛を和らげる専門家からのアドバイスが行われる」「緩和ケア病棟がもっとたくさんある」「施設がもっとたくさんある」「介護をかわってくれるボランティア団体がある」「治療場所を変えても必要な情報が伝わる」「自分の診療情報を持ち歩ける」などの項目で、概ね80%の方が「役に立つ」「とても役に立つ」「不可欠だと思う」と回答されました。本プロジェクトはこのような一般市民の方の要望をふまえて、実施計画を策定していくことにいたしました。 【地域医療者の緩和ケアに関する自己評価】
【地域医療者が緩和ケアに関して困難に感じること】地域医療者が緩和ケアに関して困難に感じることでは、「患者の痛みを和らげること」が病院医師で約10%〜20%、病院看護師で約30%〜50%、診療所医師で約30%〜40%、訪問看護師で約20%〜40%、「痛み以外の身体の苦痛を和らげること」が病院医師で約10%〜40%、病院看護師で約40%〜60%、診療所医師で約30%〜40%、訪問看護師で約40%〜50%でした。また、「患者への精神的サポート」では病院医師で約50%〜60%、病院看護師で約40%〜50%、診療所医師で約40%〜60%、訪問看護師で約40%〜50%でした。地域によって多少のばらつきがあるものの、多くの地域医療者が緩和ケアの提供に対して困難を抱えていることが明らかになりました。また、「療養場所の選択」に関しては病院医師の約30%〜40%、病院看護師の約40%〜50%、診療所医師の約30〜50%、訪問看護師の約20〜40%が困難に感じているという結果でした。医療者にとっても療養場所の選択は難しい課題であることが示唆されました。
![]() 【地域医療者が緩和ケアや在宅医療を整備していくために役立つと思うこと】 地域医療者が緩和ケアや在宅医療を整備していくために役立つと思うことについては「緩和ケアについての情報を住民にわかるように伝える」「患者・家族が困ったときに相談できる窓口がある」「地域で受けられるサービスがわかる冊子やホームページがある」「通常の診療を行うための時間や人を確保する」「緩和ケアに関するセミナーや会議を開催する」「困ったときに地域の緩和ケアの専門家に電話やメールで相談できる」「緩和ケアの専門家が緩和ケア専門の外来を行う」「緩和ケアの専門家が他の医療機関に行って診療したり相談にのる」「地域の医療機関に緩和ケアの専門家や拠点病院との連絡や相談を担当する看護師をおく」「既存の緩和ケア病棟を急変時などに待たずに利用できるようにする」「緩和ケア病棟をつくる」「既存の施設を一時的な入院に利用できるようにし、緩和ケアの専門家が必要時に診察する」「退院前のカンファレンスや連携パスを計画的に準備する」の項目において、「役に立つ」「とても役に立つ」「不可欠だと思う」という回答が概ね80%以上であり、「症状を緩和するためのマニュアルを作る」「医療機関に地域で利用できるサービスの情報が定期的に郵送される」「患者・家族の評価が医療機関に伝えられる」「緩和ケア病棟以外の療養できる施設を作る」「調剤薬局から薬品や点滴を配達する」「自分の診療・在宅移行に関する情報を持ち歩き、他の病院の医療者に相談できる」「地域にさまざまな職種の人が定期的に緩和ケアに関する会議をする」「診療所間が連携するシステムをつくる」「あまり使わない医療器材を拠点病院でまとめて管理する」という回答は概ね70%以上でした。本プロジェクトはこのような医療者側からの要望をふまえて、実施計画を策定していくことにいたしました。在宅診療に関して診療所医師が担当可能な治療は「経口麻薬の投与」は約20〜30%、「モルヒネの持続皮下注射」は約10%、「鎮静薬の持続皮下注射」は20%以下、「中心静脈栄養・ポート管理」は約10〜20%でしたが、専門家に相談できれば行うことができるという回答は、それぞれ30%〜70%でした。また、「末梢輸液」は約40〜50%、「皮下輸液」は約10〜20%、「腹水・胸水穿刺」は約20〜30%、「輸血」は約10〜20%でしたが、これらについても専門家に相談できれば行うことができるという回答は約30〜80%でした。多くの治療において、専門家の支援があれば、診療所医師が適切な緩和治療を行うことができる可能性があることが明らかになりました。この傾向は訪問看護師でも同様で、在宅医療を担う診療所医師や訪問看護師に対する、緩和ケア専門家の支援の重要性が示唆されました。 【診療所医師が担当可能な治療】
在宅診療に関して診療所医師が担当可能な治療は「経口麻薬の投与」は約20〜30%、「モルヒネの持続皮下注射」は約10%、「鎮静薬の持続皮下注射」は20%以下、「中心静脈栄養・ポート管理」は約10〜20%でしたが、専門家に相談できれば行うことができるという回答は、それぞれ30%〜70%でした。また、「末梢輸液」は約40〜50%、「皮下輸液」は約10〜20%、「腹水・胸水穿刺」は約20〜30%、「輸血」は約10〜20%でしたが、これらについても専門家に相談できれば行うことができるという回答は約30〜80%でした。多くの治療において、専門家の支援があれば、診療所医師が適切な緩和治療を行うことができる可能性があることが明らかになりました。この傾向は訪問看護師でも同様で、在宅医療を担う診療所医師や訪問看護師に対する、緩和ケア専門家の支援の重要性が示唆されました。![]() |
一般市民:>>PDF [170KB] 一般市民の声(自由回答抜粋) |


本調査は「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」のプロジェクト対象地域に在住する一般市民および地域医療者の考えや要望を知ることによって、地域の現状を把握し、地域に対するプロジェクトの実施計画を策定することを目的として行われました。







在宅診療に関して診療所医師が担当可能な治療は「経口麻薬の投与」は約20〜30%、「モルヒネの持続皮下注射」は約10%、「鎮静薬の持続皮下注射」は20%以下、「中心静脈栄養・ポート管理」は約10〜20%でしたが、専門家に相談できれば行うことができるという回答は、それぞれ30%〜70%でした。また、「末梢輸液」は約40〜50%、「皮下輸液」は約10〜20%、「腹水・胸水穿刺」は約20〜30%、「輸血」は約10〜20%でしたが、これらについても専門家に相談できれば行うことができるという回答は約30〜80%でした。多くの治療において、専門家の支援があれば、診療所医師が適切な緩和治療を行うことができる可能性があることが明らかになりました。この傾向は訪問看護師でも同様で、在宅医療を担う診療所医師や訪問看護師に対する、緩和ケア専門家の支援の重要性が示唆されました。
